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埼玉県に日光東照宮が!?日本三大聖天のひとつ 「妻沼聖天山」
妻沼聖天山は、待乳山聖天(東京都)、生駒聖天(奈良県)と並ぶ、日本三大聖天の一つです。きらびやかな装飾で、埼玉日光とも呼ばれる、妻沼聖天山をご紹介します。
埼玉県熊谷市にある妻沼聖天山(めぬましょうでんざん)。待乳山聖天(東京都)、生駒聖天(奈良県)と並ぶ、日本三大聖天のひとつとして名高い寺院です。
聖天とは仏教における神様の一人で、別名・歓喜天(かんぎてん)とも呼ばれる守護神のこと。歓喜天を祀る寺院自体のことを聖天と呼ぶこともあります。
妻沼聖天山の一番の見どころは、なんといっても国宝に指定されている本殿「歓喜院聖天堂」です。世界的に有名な日光東照宮を彷彿とさせる絢爛豪華な建物で、「埼玉日光」とも呼ばれています。また、縁結びのご利益があることでも有名です。今回はそんな妻沼聖天山の見どころをご紹介します。
東京からのアクセス
妻沼聖天山がある埼玉県熊谷市は東京からのアクセスも簡単な、観光に便利な都市。
東京駅から最寄駅のJR熊谷駅までは、JR上野東京ラインで乗り換えをすることなく行くことができます。移動時間は約70分で運賃は1,140円ほど。なお上越新幹線を利用すれば約40分(約3,200円)で行くこともできます。
JR熊谷駅からはバスで移動するのが便利です。朝日バスの太田駅行、妻沼聖天前行、西小泉駅行のいずれかに乗車すれば、約25分ほどで最寄りのバス停である「妻沼聖天前」に到着できます。バス停で下車すれば、本殿へ向かう参道は目の前です。
本殿まで続く3つの門
境内に入り最初に見えてくるのは、貴惣門(きそうもん)と呼ばれる大きな門です。周りは住宅街に囲まれているため、門の大きさが一層引き立ちます。
遠くから見ると無骨で雄々しい印象ですが、近くでみると獅子や龍などの細かな彫刻が施されていることに気が付きます。繊細かつ豪壮な日本の寺院らしい建築です。
貴惣門をくぐると、右手に老武者の像が見えてきます。こちらは、源平合戦(げんぺいがっせん:12世紀後期に起こった、大規模な内乱)の英雄で、妻沼聖天山を開いたとされる斎藤別当実盛(さいとうべっとうさねもり)の像です。歓喜院聖天堂は1179年に斎藤別当実盛が聖天を祀ったのが始まりとされています。
次に見えてくるのは、四脚門(しきゃくもん)です。歴史上何度も火災の被害を受けた妻沼聖天山では、現存する多くの建築物が再建されたものです。そんな中でこの四脚門は境内で最も古く、400年前の姿を残しています。
四脚門をくぐり、右手に進むと平和の塔が見えてきます。春には桜、秋には紅葉を楽しむことができ、とてもきれいなスポット。
こちらが仁王門(におうもん)です。左右には、迫力のある金剛力士像(※1)を見ることができます。
※1:金剛力士像(こんごうりきしぞう)……寺院の入り口の門などに、2体を1対として安置されている像。寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を持つ。
国宝 歓喜院聖天堂
仁王門をくぐると、ついに歓喜院聖天堂が見えてきます。火事などの被害で何度か再建され、現在の建物は1760年に完成しました。ここから先は、入場料700円が必要です。めぬま観光ボランティアガイド「阿うんの会」が10時から16時の間、1時間おきにガイドを行っており、理解が深まります。日本語のみでの案内となっているため、日本人の友人がいらっしゃる方は、一緒に行くとよいかもしれません。
写真提供:熊谷市
こちらが国宝の歓喜院聖天堂です。聖天堂は「権現造(ごんげんづくり)」という建築様式を用いており、建物の各所に絢爛な彫刻が施されています。
権現造で有名な建造物といえば、日光東照宮。歓喜院聖天堂の彫刻は、日光東照宮の修復にも参加した彫刻師・石原吟八郎(いしはらぎんぱちろう)を中心に制作されたものです。日光東照宮に勝るとも劣らない美しさには、そのような共通点が隠されていたのですね。
「埼玉日光」と呼ばれていることにもうなづけます。
その彫刻の一部を紹介します。
囲碁をする人々。神様でしょうか。
獅子舞で遊ぶ子どもたち。
相撲をする人々なども彫刻されています。
掘られている彫刻は、そのどれもが穏やかで優しい表情を浮かべており、見ているこちらが癒されるほどです。これらの彫刻は1枚の板を彫って作られたもので、その技術の高さには驚かされます。
おわりに
いかがだったでしょうか。美しい彫刻はまだまだあります。本殿、歓喜院聖天堂は2003年10月1日から2010年9月30日の7年の歳月を費やして修復されたばかりで、とても鮮やかな極彩色に生まれ変わりました。まるで日光東照宮を彷彿とさせるような豪華絢爛な装飾を、埼玉県熊谷市で堪能してみてはいかがですか。
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